第1回公演『HERO』【映画化】

 

TAIYO MAGIC FILM(当時は劇団太陽マジック)の第1回公演「HERO」が、映画化になりました。

 

映画『HERO~2020~』

 

2020年6月19日(金)公開

 

監督・脚本 西条みつとし

 

CAST

廣瀬智紀 北原里英

小松純也 前島亜美 小早川俊輔

小築舞衣 中村涼子 米千晴 小槙まこ 加藤玲大 後藤拓斗 双松桃子

飛鳥凛 伊藤裕一 根本正勝 今立進(エレキコミック)

松尾諭 斎藤工(友情出演)

 

配給 ベストブレーン

 

シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開

(ミッドランドシネマ名古屋空港・アースシネマズ姫路・岡山メルパ・シアターセブン大阪・イオンシネマ新潟南・イオンシネマ千葉ニュータウン・土浦セントラルシネマズ・刈谷日劇愛知・別府ブルーバード劇場)ほか

 

※劇場によって公開日程が異なります。詳しくは公式サイトへ

 

西条みつとしです。

 

この「HERO~2020~」でTAIYO MAGIC FILM の舞台作品からの映画化は、第5回公演「ゆらり」に続き、2作品目になります。

 

「ゆらり」では、脚本として参加させて頂きましたが、今回の「HERO~2020~」では、”脚本”と、”監督”としても参加させて頂きました。

 

TAIYO MAGIC FILM メンバーの米千晴も出演しています。畠山U輔仲原由里子も、少し出演しています。あと、TAIYO MAGIC FILM 舞台公演常連客演の 小築舞衣さんと中村涼子さんも出演しています。TAIYO MAGIC FILM にも2度ほど出演してもらった廣瀬智紀君も主人公として出演してもらっています。友情出演で、斎藤工さんにも出演してもらいました。

 

ちょっとしたブログ↓

 

僕にとって長編映画の”監督”は初になります。

監督をしていて凄く楽しかったし、とても良い作品になったと思っています。

ジャンルでいうとコメディですが、コメディだけでは終わらないTAIYO MAGIC FILM らしい作品になっております。

 

「映画テレビ技術2020年6月号(№814)」にも満載させていただいたのですが、

 

TAIYO MAGIC FILM 第1回公演「HERO」は、僕が、8年前の33歳の時に脚本を書きました。父親の話を作りたいと思い、書いた作品です。

 

先ず、僕の父親の話をしても良いでしょうか。

僕の父親は、あまり口数は多くはありません。ひたすら毎日仕事に行って働いている人、というイメージです。(酒を飲むと口数は多くなるが・・・)

今も有難いことに健在で、今もイメージは変わっていないです。

僕は、母親から、愛情を受けて育ったと感じているし、母親から愛情を感じた出来事は沢山ある。しかし、父親からは、愛情を感じたという出来事は、特に思い出せない。けれども、父親をカッコいいと想える出来事なら沢山ある。僕が生きてきて、初めて人に対して「カッコいい」という感情が湧いたのは、父親でした。僕のカッコいいとは、何か・・・

 

言葉ではなく行動で示す人間。

心が強い人間。

そして、優しさを安売りしない人間だ。

 

そう父親を見て僕は学んだ。

父親が、そう息子に学ばせたかったかどうかは、さておき、僕は父親を見て、「カッコいい」と思い、そういう「カッコいい」人間になりたいと思った。

だが、これがなかなか難しい。

言葉でなく行動で示す人間・・・やはり、言葉では簡単に言えるが、行動に表すとなると色々な壁が出てきて、つい断念してしまう。

心が強い人間・・・人間誰しも、最初は弱い。いや、一生涯、弱いのかもしれない。しかし、その弱さと都度、戦い、自分自身に勝って、自分を律し信念と成長の為、戦い続けるのは、並大抵の事ではない。元から心が強い人はいないのだ。結果、心が強いと周りに思わせられるよう自分と戦っている人間が強いのだ。

優しさを安売りしない人間・・・これは、優しくない人を指しているのか?いや、違う。安売りをしないだけで、優しい人なのだ。優しさを相手に与える事だけが優しい事なのか。そうではないはずだと僕は思う。優しさを与えない事が優しさの時もある。それは、相手に、その瞬間の優しさを与えるのではなく、その相手の未来へ優しさを与えているからだ。だから、その瞬間は、厳しさに映る事もある。これも難しい。誤解される事が多いのだ。

父親のような「カッコいい」人になるには、本当に難しい。

男の父親が、男の息子へ与える“愛情”は「カッコよさ」を見せる事なのかもしれないなと僕は思う。

 

僕は小さい頃、皆と同じように、テレビで、スーパー戦隊シリーズのヒーロー番組を見ていた。「太陽戦隊サンバルカン」という番組で、「赤のバルイーグル」と「青のバルシャーク」と「黄のバルパンサー」がいた。学校で、サンバルカンごっこになると、皆、「赤」の取り合いになった。スーパー戦隊の「赤」と言えば、主人公で、中心人物。やはり皆は、「赤」が一番カッコいいからだと言って「赤」の取り合いになるのだ。

しかし、僕には、「青」が一番カッコよく見えた。

 

「赤」の性格は、リーダーシップがあり、社交性があって、目に見える優しさと強さがあるのだ。

「黄」の性格は、おっちょこちょいでカレーが大好きで、ひょうきんで、明るい性格。

そして「青」は、無口で余計な事はせず、チムーワークを乱す事はしないが、チームに依存しない自分を持った人間性である。

(当時の僕が番組を見て感じていたイメージです)

今思えば、「青」は、父親に近いカッコよさを持っている。勿論、当時の僕は、父親に近いから、「青」が好きというわけではなく、なんとなく「青」がカッコよく見えたのだ。しかし、大人になって振り返ると、僕は、そうゆうカッコよさばかりを選んでいたり、憧れていたのだと思う。

小さい頃、聖闘士星矢という漫画が流行っていた。好きなキャラクターは、フェニックス一輝だった。キン肉マンという漫画では、ウォーズマン。などなど、正義の味方(HERO)の真ん中や、キャラクター強めの人たちではなく、正義の味方ではあるが、無口で恥ずかしがり屋で、出しゃばらず、言葉ではなく行動で示し、心が強く、そして、優しさを安売りしない父親のようなカッコよさを持ったHEROを一番カッコ良いと思うようになっていた。

 

今回の作品「HERO」でも、無口で恥ずかしがり屋で、出しゃばらない男が主人公である。主人公は、全然喋らない。なので、最初、作品を見たら、主人公が何を考えているか、全くわからないで話は進んでいく。でも、映画を観終わった後、お客さんには必ず、主人公のカッコよさを通して、愛情を与えられる作品だと思います。

 

これだけ父親の事を書きましたが、このHEROという作品は、親子の話でも父親の話でも実はありません。恋愛の話です。2年間限定のお付き合いから始まった恋の謎解き物語です。勿論、父親が出ないわけではありません。主人公は、父親を、HEROのような、カッコいい人間だと思い、そうなりたいと生きています。そして、HEROのような、カッコいい人間になるキッカケとして、この恋の謎解き物語があるわけです。

 

誰かが誰かに支えられ、誰かが誰かの“ヒーロー”になる。

 

是非、是非、『HERO~2020~』観て頂けたら嬉しいです。